まずは花火の原料となる火薬の配合。
何種類もの薬品をはかりで厳密に計量します。
花火の色が決まる重要な行程の一つ。

ここでは火花による引火を防ぐ為、静電気除去設置を使用します。

計量した原料をフルイを使い均一に混ぜ合せます。




一、で配合した火薬を水で溶いたドロドロの液体状のもの。 「トロ」と呼ぶ。 これを見ただけでは、あの夜空に綺麗な花を咲かせる花火の原料だとは誰も想像できないでしょう。

この丸い「窯」のような機械に、芯材を入れ次に上の「トロ」を入れゆっくりと回しながら粉薬をかけていきます。
こうすることで少しづつ粒状になり、何度も繰り返して大きくしていく。
この時、別の配合の火薬を使うと、違う色に変化する粒(星)を作る事ができる。


これが花火の基となる「星」と呼ばれる火薬の粒。
この「星掛け」の行程ではこれが最終形状となります。
大きさは花火玉自体の直径や種類で変わりますが、約10mm〜20mm位。それでも、ゆっくりと時間をかけて作業をする為、この行程だけでも数日をかけて行います。

*芯材には火薬を固め切ったもの、花の種、セラミック材など各作業所によりいろいろ変わります。





いよいよ花火の形が見えてくるこの行程。
まずは外殻となる半球型の「玉皮」に、前工程で作られた「星」を丁寧につめていきます。

次に仕切りとなる「紙」を敷き、星を飛び散らせる「割火薬」をつめます。

半分がつめ終わったら、外側を「コンコン」と棒で叩き、中身を均一にならします。
これを半分づつ作り、花火玉の一組とします。

右の写真の手前に写っているものが、花火の半分の完成形。
これを二つ、合わせます。熟練した花火師さんの腕のみせどころです。
ここでまた外側を叩き、全体の中身を均一になじませ、最後につなぎ目にテープ状の紙を貼り、分解しない様保護します。



いよいよ最後の仕上げとなる行程。
玉の表面に「玉貼紙」と呼ばれるテープ状の紙に、のりを付けてタテ・ヨコ・ナナメと、貼り重ね貼り重ねて干し、ここで「ゴロ」かけをします。これを数回繰り返し最後に玉名を記入して完成となります。これは表面の保護と、花火を空中で綺麗な球状で開かせる為の作業。花火の大きさにより貼り重ねる厚みが変わる為、うまくバランスを取る事が重要になっていきます。

花火を美しく見せるためには、「打ち出された最も高い位置で、球状に開かせる」のがポイント。この作業はその分かれ目となる最後の山場となるのです。

*「ゴロ」とは、貼った紙を密着させるのと表面を仕上げる意味がある。



みなさんの知っている花火。
一つを作るのにも、これだけの段階を経て作られているのが、
少しでもお分かりいただけましたでしょうか?

この機会にこれらを覚えて、自称「花火通」として今度の花火大会に出向いてみてください!